宮崎市出身の洋画家、瑛九(えいきゅう)=本名・杉田秀夫(1911~1960年)と同時代の世界の画家の作品約200点を集めた企画展が宮崎市の青木画廊で開かれている。25日まで。
主催する同画廊の青木脩さん(69)は「瑛九は決して絵はうまくないといわれる」と話す。ではなぜ多くの人が瑛九にひかれるのか。企画展ではその一端を垣間見ることができる。
瑛九は新しい手法を進んで取り入れた独創的な作風で知られる。フランスの絵画雑誌に影響を受けた。暗室で切り抜いた型紙を印画紙上に置いてペンライトで光を当てて絵を描く「フォトデッサン」という手法を確立した。フォトデッサン「森のつどい」(1951年)は、仕上がりを見たプロの写真家がどうやってこんな作品を作ったのかと首をかしげたという。同作品の原画を含む13点のフォトデッサンや「並木通り」などの初期の油彩画、アートブラシを使った抽象画「空のたび」、水彩画「春のめざめ」、亡くなる1年前に病床で描いた「虚ろな記憶」(いずれも原画)などが並ぶ。同時代のピカソやダリの作品も展示してあり、世界の巨匠の作品と見比べることもできる。
青木さんは「瑛九は周りの評価に流されずに、心に感じたことを素直に描いた画家だった。作品を通じて彼の魅力的な人柄に触れてほしい」。問い合わせは同画廊0985・22・4338。
全站熱搜